箱根・小田原地方には、古くから伝えられてきた貴重な伝統的工芸技術が数々あります。
歴史的には平安時代の初期に源流を見ることができ、豊富な木材が伊豆半島から箱根山系にあったことや、東海道の住還者や箱根への湯治客の増加にともない、お土産品として生産が活発になりました。幕末の開港時には、下田、横浜への出荷をはじめ、江戸へと売り込む努力も続けられてきました。
伝統の木工芸技術を用いながら、現在では漆器、小箱類(寄木)、食卓用品、観光工芸品など、多品種の木工芸品産地として、広く国内に販路を持ち一部輸出品としても好評を得ています。
工芸技術の発達は、「ろくろ」を使って作られる画一的な製品を増やしてしまうことにも繋がりました。
そんな中、弊社では「木のぬくもりと確かな工芸技術」をもっと身近な存在にしたいと願い、わたしたちの生活を便利で豊かなものにしてくれる「生活用品」づくりにいち早く取り組んできました。引出し付き鏡台や回転式食卓カスター台など、暮らしを彩る製品づくりのアイデアが、今日の臨機応変なものづくりに繋がっています。